META – UNIVERSE / 目他 – ユニバース
11.4.fri 〜 11.13sun, 2022
2022 年 11 月 4 日(金)〜13 日(日)の期間中、アートプロジェクトプロデュース集団
「WATOWA GALLERY(ワトワギャラリー)」プロデュースの下、アーティスト・因幡都
頼による個展『META – UNIVERSE / 目他 – ユニバース』を、渋谷二丁目のオルタナティ
ブスペース「elephant STUDIO(エレファントスタジオ)」にて開催いたします。
因幡都頼は、現代の流行や風潮をモチーフに、その時代固有の概念によって生まれる認識の
範囲外を絵画作品として制作するアーティスト。武蔵野美術大学にて日本画を学び 2012 年
に卒業後、全国各地で個展の開催やグループ展への参加を行うなど、精力的に活動を行いま
す。
本展では、2022 年に入選した「第 25 回 岡本太郎現代芸術賞」で展示された大型作品を含
む、絵巻物のように連なる大作『幸辛物語(こうしんものがたり)』から、新作『騒(そう)』
『的(まと)』を発表。因幡作品の特徴でもある、仮想現実=メタバースのような空間と、
“他人”の“目線(視点)”を通した俯瞰の構図が生み出す宇宙的な世界観は、まさに“目他(メ
タ)・ユニバース“と言えます。
独自の視点で描き出される、因幡都頼の奇々怪々な宇宙を、ぜひご覧ください。
ARTISTS
因幡都頼
STATEMENT
因幡都頼が描く奇々怪々の世界は、スーツ姿のサラリーマンや制服姿の女子高生のような
現実を強く喚起させる記号に満ちているが、「コロナおじさん」のように擬人化されたモチ
ーフ、さらには河童といった空想上の生き物も違和感なく同居している。そう、眼下で繰り
広げられるのは多層的な世界の住人による現実世界のパロディである。
その群像劇は一貫して俯瞰の構図で描かれ、瞬時にいくつかの既成イメージを連想させる
だろう。例えば中世絵巻や近世初期風俗画など、日本の古典絵画の記憶がこだましている。
あるいは西洋のヒエロニムス・ボスや子どものころに熱中した絵本『ウォーリーを探せ!』
を思い浮かべる人も居るかもしれない。 今では高いビルや飛行機、ドローンの登場により
上空から地上を眺めることも容易くなったが、もともと俯瞰は仮想上の視点である。このメ
タな視点を持つことによって、世界の営みを冷静に観察することができるだろう。一方で画
中に描かれる生々しい人物(アバター)に共感を覚えるならば、その視線を借りて描かれた世
界に生きることも可能かもしれない。この俯瞰と同化を繰り返すことで、因幡の絵画世界は
より豊かに、饒舌に語りはじめるのである。