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【ZOOOOOOOOM/BRUSH WORK】
4.2 sun 〜 4.16 sun, 2023
佐野凜由輔作品の持つ“スクラップ・アンド・ビルドな構図”の解釈が、新たな開放へ。
それは、決してこれまで描いてきたコンポジションが喪失した訳ではなく、より確かな成熟へと向かっていることを意味します。ビーチでくつろぐ男たちや積み上げられたテディベア、さらには生い茂った草木が続く庭……
そんな日常として存在しうる“風景”を、モチーフとしベースに落とし込んだ構図は、近年の作品に見る変化の中でも特に注目をしてほしいエレメントです。言わば、インパクトのあるレイアウトに力強いストロークが目立っていた従来の作品に対し、どこか感情へ入り込む巧緻な側面を持ち合わせた、情景的なフィクションへの昇華。
一様ではないテーマを扱う中、アウトプットの技法を熟考しトライし続けることが成果となり、通覧すると特徴は多種多様。再び、ディテールにおいての精妙さを見つめなおせば、ドローイングやストロークなど幅広い手法からなる大胆さと表情の豊かさは変わらずも、より細やかな一つひとつの筆致を追求して、繊細さを所々方々へアプローチすることで、幾ばくにも拡大し縮小する“ZOOM”の奥行と本質が磨き上げられました。
ゆえに、これまで通りの強烈に重なりあう色彩を帯びた無数の象形の蓄積が、相乗的な深みとなり思考を刺激し、原作品どれをとっても其の折でのマスターピースと誇れるものとなりました。
ARTIST
佐野凜由輔