TWO IRON MAN -鉄人の二人展-

10.8 sat – 10.16 sun, 2022

この度、アートプロジェクト集団 WATOWA GALLERYは、2022年10月8日(土)より WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYOにて、新木友行と寺尾勝広による”TWO IRON MAN -鉄人の二人展-“を開催いたします。

ARTISTS

新木友行、寺尾勝広、阪本剛史、内野真行、林健太郎、塚本和行

STATEMENT

新木友行と寺尾勝広の芸術性は異なるものである。新木はアスリートたちを描く。「ぶつかり合う瞬間を見たときの気持ちを言葉ではなく 作品にしたい」という彼は、アスリートたちをデフォルメし動きを丁寧に捉える。濃密な色彩とコミカルさ、そして躍動感はバイタリティ にあふれ、エネルギッシュさを持つ。一方で、寺尾は鉄工所で溶接工として働いていたことを背景に、「図面」と呼ばれるドローイングを 生み出す。彼の作品、鉄骨図面は重厚さだけでなく、緻密で焦点を持たず、繊細さをも兼ね備える。二人に共通するものと言えば、新木で あればアスリート、寺尾であれば鉄といったモチーフを固定化し、それだけを追求するという制作の姿勢を貫いていることだ。 新木友行と寺尾勝広の作品は、ときに「美術」としての言葉では語られないことがある。それは彼らに障がいがあることに関係する。20 世紀初頭ヨーロッパで見出された「アール・ブリュット」は伝統的な美術の外部の作品を指すものであったが、今日の日本では「障がいの ある人のアート」という誤った認識がついている。本来の原義から離れた名称でカテゴライズされるが故に、障がいのある人が生み出す作 品は「美術」としての視点で語られにくいことがある。作品の内実ではなく、作家自身の特性でジャンル分けされる現象はなぜおこるの か。問題は表現者ではなく、表現されたものをどう扱うかという社会の意識にある。一方で、新木と寺尾は、これまで「現代アート」の舞 台で活躍し、多くのアートファンを魅了し続けてきた。本展は、現代アートとして評価を受ける新木と寺尾の作品を通じて、表現に対する 社会の対応に疑問を投げかけるものである。 新木のデフォルメするスキルや色彩のバランス、寺尾の幾何学的図形がひしめく図面たち。彼らの独自性はその表現の中にこそ存在する。 変わらぬものに情熱を燃やし続ける二人の鉄人の世界観を堪能してほしい。

德光椋子

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