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花はどこへ行った ?~Where have all the flowers gone
6.5 mon 〜 6.25 sun, 2023
ミレイヒロキは2人の人間でありながら、1人の芸術家として活動してきた。その2人の人間は、それぞれ、あるいは共に、1980年代以降、アメリカ各地を中心にして、(特殊)メイク、フィルム、ファッション、ストリート(ヒッピー)・カルチャーなどを領域域横断的に摂取してきた。ミレイヒロキの芸術実践は、それゆえ、「二人それぞれが数人だったのだから、それだけでもう多数」(ジル・ドゥルーズ+フェリックス・ガタリ『千のプラトー──資本主義と分裂症』)であるような幅広さと奥行きが備わっている。
ミレイヒロキは一貫して「花」をモチーフとして作品を制作し続けている。資金が底をついて唯一手元に残ったクレパスを使って、1枚のわら半紙に2人で描いた花は、キャンバスの外へと出て、さらには美術館やギャラリーの外へと出た。公共空間を通じて国内外に広がってきた花々は、作者の手を離れたあとでさえ、あたかも自律した生命体のように増殖を止めることはない。本展では、コロナ禍やウクライナ侵攻などを経て、ミレイヒロキの花々が照らし出す現代の様相が示されるだろう。
山本 浩貴
ARTIST
MireyHIROKI